
決闘が大好きだった!? 生涯の決闘回数、一説には26回!
そんなプーシキンが決闘の虚しさを描く「その一発」。
果たしてタイトルの「その一発」は何を意味するのか?
ラジオ日本「わたしの図書室」では、4月30日(木)と5月7日(木)の2週にわたり、ロシア近代文学の父と呼ばれるアレクサンドル・プーシキンの短編小説「その一発」を紹介する。スリルを愛し、名誉に生きながら、その男はなぜ、“その一発”を放たなかったのか? 朗読は、日本テレビ・アナウンサーの井田由美。
【プーシキンはこんな人だった】
歴史小説「大尉の娘」や短編「スペードの女王」で知られるプーシキンは、1799年、モスクワの貴族の家に生まれ、子供のころから文学に親しんで育った。帝政高等学校を卒業後、外務院に勤めたプーシキンは、社交界で青年貴族たちと交流しながら詩作に励んでいた。21歳の時、叙事詩「ルスラーンとリュドミーラ」を発表。しかし、同じ年に政治的な詩を書いて、南方のへき地へ追放されてしまう。だが、その後も執筆をつづけ、「スペードの女王」「大尉の娘」「ベールキン物語」などの傑作を残すとともに、ドストエフスキー、トルストイをはじめ、後世のロシア文学界に大きな影響を与えた。
【プーシキンは決闘好き?】
この物語は“決闘”がテーマ。当時“決闘”は、ヨーロッパやアメリカでも行われており、名誉の回復や恨みを晴らす目的で双方が同意して一対一で行われる命を賭けた勝負だった。ロシアでも18世紀から19世紀までは、貴族の間でしばしば“決闘”が行われていた。その頃は拳銃を用いるのが主流。プーシキンが生涯で挑んだ決闘は、一説には26回とも言われるが、史実として確認されているのは数回とか。それでもプーシキンが勝負運に恵まれていたことは確か。しかし、1837年、37歳の時、絶世の美女として知られた妻ナターリアをめぐり、フランス人将校と決闘。そのとき受けた傷がもとで、プーシキンはその2日後に命を落としている。
【「その一発」はこんな話】
ロシアの田舎町に駐屯している軍隊。さびれたこの町で、将校の“私”は、退屈な日々を送っていた。そんな中、“私”は、一人の男と出会う。名はシルヴィオ。かつては軍隊で相当の昇進をした彼は、みすぼらしい家に住んではいたが、気前よく酒をご馳走してくれることと、人間業とは思えないほどの射撃の腕前で将校たちから一目置かれていた。ある日、賭け事の席で、士官の一人がシルヴィオといさかいを起こしてしまう。なにしろ射撃の名手、シルヴィオのこと。決闘は免れまいと誰もが思った。しかし、予想に反して、シルヴィオは決闘を行わない。命を賭けて名誉の回復をしようとしないのはなぜだ! “私”は失望せずにはいられなかった。そんなとき、シルヴィオが突然、この町を去ることになった。別れの日、シルヴィオは“私”にだけ、6年前のある出来事を打ち明けてくれたのだった……。
【放送内容】
木曜日 夜11:30~00:00
放送日: 4月30日・5月7日
朗読: 井田由美(日本テレビアナウンサー)
作品: プーシキン作「その一発」
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