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「役職定年の後、どう働けばいいのか見えない」
「50代からセカンドキャリアを考えるのは、もう遅い?」
役職定年や定年後の再雇用が視野に入り、週末に資格やセカンドキャリアの情報を検索している方もいるのではないでしょうか。
遅くありません。60代以降も働くことが当たり前になった今、50代はセカンドキャリアを設計する適齢期です。準備にあてられる時間が10年以上あり、収入が途切れない状態で動けます。
本記事では、50代でセカンドキャリアを考える人が増えている背景と、5つの選択肢を解説します。自分に合うセカンドキャリアの見つけ方、男女別の考え方、資格や公的支援を使った準備のポイントも扱います。定年後を会社任せにせず、自分で設計するための材料として読んでみてください。
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50代はセカンドキャリアを考える適齢期

※出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」。男女計の就業率です。
セカンドキャリアとは、これまでの本業に続く「第二の職業人生」のことです。辞書では、会社員や公務員が定年後にする仕事、あるいは第二の人生における職業と説明されています。
50代で考える人が増えているのは、働く期間が延びたからです。理由を3つに分けて見ていきます。
- 60代以降も働くことが当たり前になったから
- 役職定年・定年後再雇用で収入と役割が変わるから
- 準備にあてられる時間がまだ十分あるから
60代以降も働くことが当たり前になったから
総務省の労働力調査(2025年平均)によると、就業率は60〜64歳で74.9%、65〜69歳で54.5%、70〜74歳で36.2%です。60代前半は4人に3人、60代後半でも2人に1人以上が働いています。
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」でも同じ傾向が示されています。令和6年の就業率は、60〜64歳で男性84.0%・女性65.0%、65〜69歳で男性62.8%・女性44.7%でした。
会社側の制度も変わりました。高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置(定年の引き上げ・継続雇用制度の導入・定年制の廃止のいずれか)が企業の義務、70歳までの就業確保措置は努力義務と定められています。厚生労働省の「令和7年高年齢者雇用状況等報告」によると、義務である65歳までの雇用確保措置は99.9%の企業が実施済みです。努力義務の70歳までの就業確保措置も、34.8%まで増えています。
※参照:厚生労働省|高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
60代で働くのが普通になり、70代まで働く道も広がっています。50代は、職業人生の後半戦の入口にすぎません。
※調査時期・集計対象により数値は変動します。
※参照:総務省統計局|労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要/内閣府|令和7年版高齢社会白書(高齢期の就業)/厚生労働省|令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果
役職定年・定年後再雇用で収入と役割が変わるから
50代では、会社任せにしてきたキャリアが一度リセットされます。役職定年で役職を離れ、定年後は再雇用で待遇が変わる。収入と役割の両方が変わる節目です。
役職定年制度の有無は、会社によって違います。人事院の「令和5年民間企業の勤務条件制度等調査」によると、役職定年制がある企業は16.7%です。導入している企業では、部長級・課長級ともに55歳を役職定年年齢とする割合がもっとも高くなっています。導入していない会社も多いため、まず自社の就業規則、定年規程、再雇用規程を確認してください。
定年後の働き方も、会社ごとに異なります。同じ調査では、定年制がある企業のうち再雇用制度がある企業は91.2%、勤務延長制度がある企業は12.2%でした。制度の内容や賃金の水準は会社によって違うため、決めつけずに自社の規程で確かめる必要があります。
会社に決められる前に、自分で設計する。それがセカンドキャリアです。
準備にあてられる時間がまだ十分あるから
「セカンドキャリアは50歳からできますか」「何歳から始めるべきですか」と迷っているなら、答えは、50歳からできる、そして始めるなら今、です。
65歳まで働くとすれば、50歳からでも15年あります。70歳まで働くなら20年です。これまでの職業人生の半分以上の時間が、まだ残っています。準備期間が10年以上ある50代は、むしろ設計のしがいがある時期です。
在職中に準備できる点も、50代の強みになります。収入が途切れない状態で、小さく試しながら方向を決められます。
50代のセカンドキャリアの選択肢5つ
セカンドキャリアは、転職だけではありません。選択肢は5つあり、自分に合う道を選べます。
- 今の会社で役割を変える
- 経験を活かして転職する
- 独立・フリーランスとして働く
- 資格や学び直しで専門職へ転換する
- 定年後を見据えて雇用継続と副業を組み合わせる
ひとつずつ見ていきます。
1. 今の会社で役割を変える
役職定年後に、専門職や後進育成へ役割を移す道です。管理職として積んだ経験を、技術指導や品質管理、社内研修の講師といった形で活かします。
社内制度の確認から始めてください。専門職コースや、関連会社への出向制度を設けている会社もあります。今の会社に居続けながら役割だけを変える選択は、収入面のリスクがもっとも小さい道です。
2. 経験を活かして転職する
同業や隣接業界への転職は、セカンドキャリアの王道です。50代の転職は珍しくありません。厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」に、年齢別の転職入職率があります。50〜54歳で男性5.1%・女性8.2%、55〜59歳で男性5.4%・女性7.6%です。毎年一定の割合の50代が、転職して新しい職場に入っています。
企業側の採用意欲も高い水準にあります。リクルートワークス研究所の「中途採用実態調査(2025年度実績)」にも、その裏付けがあります。2025年度下半期に中途採用を実施した企業は84.4%で、比較可能な期間で最高値でした。
転職を選ぶ場合の具体的な進め方は、次の記事で解説しています。
【関連記事】
50代からの転職がすぐ決まる人の特徴と成功のコツを解説
※参照:厚生労働省|令和6年雇用動向調査結果の概要(転職入職者の状況)/リクルートワークス研究所|中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)
3. 独立・フリーランスとして働く
顧問、コンサルタント、業務委託など、会社員時代の専門性を切り売りする働き方です。複数の会社と契約すれば、1社に依存しない収入構造を作れます。
収入が不安定になるリスクは、正直に見ておく必要があります。会社員のように毎月の給与が保証されるわけではなく、営業も自分でおこないます。いきなり独立するのではなく、在職中に副業で小さく試してください。手応えと顧客のあてができてから独立に進むのが、現実的な順番です。
4. 資格や学び直しで専門職へ転換する
未経験分野への転換は、資格が入口になります。介護、不動産、金融など、年齢を問わず受験できて求人のある分野を選べば、50代からでも新しい職業人生を作れます。
資格の選び方と代表例は、後半の「資格でセカンドキャリアの入口を作る」で扱います。ここでは、資格は目的ではなく入口だという点だけ押さえておいてください。
5. 定年後を見据えて雇用継続と副業を組み合わせる
定年後は再雇用で働きつつ、副業や地域活動で第二の軸を育てる道です。収入の基盤を会社に残したまま、定年後に本格化させたい活動を今から始めます。
用語の使い分けに注意してください。「継続雇用制度」は、定年後も引き続き雇用する制度の総称です。そのうち、定年で一度退職して再び雇用するのが「再雇用制度」、退職させずに雇用を延ばすのが「勤務延長制度」です。自社がどちらの制度か、条件はどうなっているかを規程で確かめてください。
50代が自分に合うセカンドキャリアを見つける4ステップ

見つけ方は「仕事探し」からではなく、「棚卸し」から始めます。手順は4つです。
- 経験の棚卸しで「強み」を言語化する
- やりたい・できる・求められるの重なりを探す
- 小さく試して手応えを確かめる
- 家計とライフプランを試算する
順番に進めてください。
1. 経験の棚卸しで「強み」を言語化する
役職や社名ではなく、「自然に価値を出せる仕事の仕方」を書き出します。棚卸しの項目は3つです。数字で語れる実績、得意な役回り、人に頼られること。
たとえば、「課長」ではなく「10人のチームで3年間、離職者を出さずに目標を達成した」と書きます。「営業部」ではなく「新規開拓より既存顧客の深耕が得意」と書きます。社名と肩書を外しても残るものが、セカンドキャリアで活かしやすい強みです。
2. やりたい・できる・求められるの重なりを探す
やりたいこと、できること、求められることの3つの円を描き、重なる部分に方向を絞ります。「やりたい」だけで選ばないのが、50代の現実解です。
やりたくても求められなければ収入になりません。求められてもできなければ続きません。3つが重なる領域を探すと、選択肢は自然に2〜3個に絞られます。
3. 小さく試して手応えを確かめる
副業、週末の活動、学び直しで、辞める前に試します。頭の中で考えた方向性と、実際にやってみた手応えは違うことが多いからです。
始める前に、就業規則の副業規定を確認してください。副業を認めていない会社や、届出が必要な会社があります。無許可で始めると、セカンドキャリアより先に今の職場で問題が起きます。
4. 家計とライフプランを試算する
退職金、年金、教育費を含めて、「いくら稼ぐ必要があるか」を数字にします。必要な収入のラインがわかれば、選べる選択肢の幅が決まります。
年金の見込み額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。ねんきんネットでは、働き方を変えた場合の年金額の試算も可能です。家計の数字を先に固めると、セカンドキャリアの設計は現実的になります。
※参照:日本年金機構|ねんきんネット
公的な就労支援の窓口も相談先になる
相談先を民間エージェントだけに絞る必要はありません。50代が無料で使える公的な窓口が3つあります。
ハローワークは、求人相談と職業相談の窓口です。高年齢者向けの「生涯現役支援窓口」も、全国の主要なハローワーク300か所に設けられています。主な対象は概ね60歳以上のため、50代の在職中は通常の職業相談を使い、定年後の再就職段階で生涯現役支援窓口を使う形になります。
ハロートレーニング(公的職業訓練)は、無料から低額で資格取得やスキル習得ができる制度です。離職者向けの訓練が中心ですが、在職者向けのコースもあります。要件は厚生労働省の公式ページで確認してください。
キャリア形成・リスキリング支援センターは、厚生労働省の委託事業で、在職者が無料でキャリアコンサルティングを受けられます。
使い分けの目安は次のとおりです。求人の実態を見るならハローワークと転職エージェントの併用、学び直しの費用を抑えるならハロートレーニングと教育訓練給付です。
※参照:厚生労働省|生涯現役支援窓口事業/厚生労働省|ハロートレーニング(公的職業訓練)/厚生労働省|キャリア形成・リスキリング支援センター
男女別に見る50代のセカンドキャリアの考え方
性別で決めつける意図はありません。考え方の軸が分かれやすい2つのパターンを紹介します。
50代女性は子育て後の再出発・再就職が軸になる
50代女性のセカンドキャリアは、ブランクからの再就職と、働き方の選び直しが軸になります。子育てが一段落し、時間の使い方を自分で決められるようになる時期だからです。
女性の就業は、50代でも高い水準です。総務省の労働力調査(2025年平均)に、女性の年齢別就業率があります。45〜54歳で82.0%、55〜59歳で76.9%、60〜64歳で65.8%です。内閣府の「令和7年版男女共同参画白書」でも、同じ傾向が示されています。女性の年齢階級別労働力率は、かつての「M字カーブ」がほぼ解消し、20代から50代まで台形に近い形になりました。
女性がセカンドキャリアで活かしやすい資格も、先に挙げておきます。介護職員初任者研修やファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)のように、年齢を問わず受験でき求人のある分野が候補です。詳しくは次章で解説します。
50代男性は役職定年後の役割の備えが軸になる
50代男性のセカンドキャリアは、役職定年と定年後再雇用による役割喪失への備えが軸になります。役職を離れた後、「何者でもなくなる」感覚に戸惑う人は少なくありません。
備えは2つです。ひとつは専門性の言語化。役職ではなく、自分は何の専門家かを一言で言えるようにしておきます。もうひとつは社外の居場所づくり。業界団体、地域活動、副業など、会社以外で自分を必要とする場を50代のうちに持っておくと、役職を離れても軸がぶれません。
資格でセカンドキャリアの入口を作る
「50代のセカンドキャリアにおすすめの資格は?」という疑問には、選び方の基準から答えます。基準は3つです。求人のある分野か、年齢を問わず受験できるか、これまでの経験と掛け合わせられるか。
代表例を3つ挙げます。介護職員初任者研修は、介護の入門資格です。受講に年齢や学歴の条件はなく、130時間の研修を修了すれば取得できます。人手不足が続く分野のため、50代からの転換先として選びやすい資格です。
ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)は、家計や保険、年金の知識を証明する国家検定です。3級は受検資格がなく、誰でも受けられます。金融や保険の経験と掛け合わせやすく、独立系の相談業務にもつながります。日本FP協会の受検手数料は、3級が学科4,000円・実技4,000円です。
マンション管理士は、マンション管理組合の運営を助言する国家資格です。受験資格はなく、不動産や建築、管理職として組織を動かした経験と掛け合わせられます。受験資格や難易度は、公益財団法人マンション管理センターの公式サイトで確認してください。
資格がもたらすものは、再就職での有利さだけではありません。学び直しを通じた自己肯定感と、社会とのつながりも得られます。
費用面では、厚生労働省の教育訓練給付制度が使えます。厚生労働大臣が指定した講座を修了すると、一般教育訓練では受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。ただし、使える人が限られる制度です。受給要件は3つです。雇用保険の被保険者期間が通算1年以上あること(初めて利用する場合。2回目以降は前回の受講開始日から3年以上)。厚生労働大臣の指定講座であること。受講開始日に在職中か、離職している場合は離職日の翌日から1年以内に受講を開始すること。支給は修了後に本人がハローワークへ申請します。
50代の読者に多い、対象外のケースは次のとおりです。
- 離職して1年を超えている
- 定年退職後に雇用保険に加入していない
- 再雇用後の勤務が週20時間未満などで被保険者でない
- 自営業・フリーランス・公務員など雇用保険に加入していない
- 前回の支給から3年未満
これらに当てはまる場合は、給付の対象になりません。
定年後の再雇用でも、雇用保険に加入していれば被保険者期間は続きます。自分が被保険者かどうかを先に確認し、対象になるかは受講前にハローワークで確かめてください。給付率の高い専門実践教育訓練は要件が別のため、混同しないよう注意してください。
※受検手数料は2026年9月時点の公式サイト記載の金額(税込)です。変更される場合があるため、受検前に公式サイトをご確認ください。
※参照:厚生労働省 石川労働局|介護分野の研修・資格/日本FP協会|2級・3級FP技能検定 試験要綱/マンション管理センター|マンション管理士試験/厚生労働省|教育訓練給付制度
セカンドキャリアの相談は「リクルートエージェント」へ
セカンドキャリアは、会社に決められる前に自分で設計するものです。検討し始めたら、まず確認したいのは3つ。自分の経験に合う求人がどれだけあるか、50代の市場価値はどの程度か、動くとしたらどんな準備が必要か。この3つの材料を無料で集められるのが、転職エージェントです。
リクルートエージェントは、公開求人約80万件、非公開求人約29万件を保有する転職エージェントです(公式サイト・2026年3月31日時点)。登録から内定まで、利用者の費用負担はありません。企業側からの成功報酬で運営されているためです。
サポートの内容は、提出書類の添削、面接対策と模擬面接、業界・企業情報の提供、年収交渉、入社日の調整、円満退社のアドバイスまでです。一般には公開されていない非公開求人にも応募できます。
転職を決めていなくても、50代の市場価値と求人の実態を知るだけで、設計の精度は上がります。「今の自分にどんな求人があるか」を見るだけでも、残るか動くかの判断材料になります。まずは無料登録で、市場を確かめてみてください。
※サービス内容・求人数は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
50代のセカンドキャリアに関するよくある質問
成功例や始める時期など、50代のセカンドキャリアで気になりやすい疑問に答えます。
- セカンドキャリアの成功例にはどんなものがありますか?
- 定年になってからでは遅いですか?
- 40代のセカンドキャリアとは考え方が違いますか?
- セカンドキャリアの成功例にはどんなものがありますか?
-
型で言えば、社内での役割転換、経験を活かした転職、顧問やコンサルタントとしての独立、資格での専門職転換の4つです。本記事で挙げた5つの選択肢のどれかに当てはまります。
共通するのは、在職中に準備を始めていることと、経験の棚卸しから入っていることです。特定の個人の体験談ではなく、公的な資料や本記事の手順に沿って、自分の状況に置き換えて考えてみてください。
- 定年になってからでは遅いですか?
-
遅くはありません。ただし、在職中の50代のうちに小さく試しておくと、選択肢は広がります。収入が途切れない状態で準備できるのが、50代の強みだからです。定年後に一から探し始めるより、在職中に方向を決めて助走をつけておくほうが、定年後の立ち上がりが早くなります。
- 40代のセカンドキャリアとは考え方が違いますか?
-
時間軸が違います。40代は「キャリア後半戦の設計」、50代は「定年後を見据えた設計」です。40代は選択肢を広げる段階、50代は定年後の収入と役割を具体的に決める段階になります。40代の考え方は、次の記事で解説しています。
【関連記事】
セカンドキャリアを40代で考えるのは早い?始め方と役立つ資格
セカンドキャリアは50代のいまが始めどき
本記事の要点を振り返ります。
- 働く期間が延びた今、50代はセカンドキャリアを設計する適齢期
- 選択肢は転職だけでなく、役割転換・転職・独立・資格転換・雇用継続と副業の5つ
- 見つけ方は仕事探しからではなく、経験の棚卸しから始める
- 家計の試算と公的窓口の活用で、設計は現実的になる
役職定年や再雇用で、収入と役割は変わります。ただ、変わるタイミングを会社に決められるか、自分で設計するかは選べるものです。50代の今なら、準備の時間も収入も残っています。
次の行動はひとつです。まず、経験の棚卸しを紙に書き出してください。強みが言葉になったら、市場でどう評価されるかを確かめます。無料で始められる転職エージェントは、その確認に向いています。