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「管理職になりたくないなんて、おかしいのだろうか」
「打診を断ったら、評価が下がりそうで怖い」
上司からリーダーや管理職への打診をほのめかされるたびに、検索してしまう。そんな方もいるのではないでしょうか。
調査では、管理職になりたくない人が多数派です。甘えでも逃げでもありません。管理職にならないキャリアの道も、ひとつではなく複数あります。
本記事では、管理職になりたくない人の割合データと5つの理由、管理職にならないキャリアの3つの選択肢を解説します。なりたくないのになってしまった場合の対処と、断る判断の質を上げるために知っておきたい管理職のメリットも扱います。なる選択も、ならない選択も、どちらも尊重する立場で読んでみてください。
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管理職になりたくないのはおかしいことではない

※出典:パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」(2026年)。「現在の会社で管理職になりたい」と回答した人の割合です。
管理職になりたくないのは、甘えでも異常でもありません。複数の調査で、なりたくない人が多数派だとわかっています。「管理職になりたくない人の割合は?」という疑問に、まず数字で答えます。
調査データで見る「なりたくない」の割合
パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」によると、現在の会社で管理職になりたい人は15.7%です(2026年)。2021年の24.0%から下がり続けており、調査開始以来もっとも低い水準になりました。
同じ調査を年代別に見ると、管理職になりたい人は20代で26.8%、30代で20.7%、40代で12.5%、50代で7.7%です。年代が上がるほど、なりたい人は減っていきます。
マンパワーグループの調査もあります。役職に就いていない正社員400人のうち、83.0%が「今後、管理職になりたくない」と回答しました(2020年2月)。なりたくない理由の1位は「責任の重い仕事をしたくない」(51.2%)です。「報酬面でのメリットが少ない」と「業務負荷が高い」(ともに40.4%)が続きます。
調査元や年によって数字は違いますが、傾向は同じです。管理職になりたい人は2割前後で、なりたくない人が多数派になっています。
※調査時期・対象により数値は変動します。
※参照:パーソル総合研究所|働く10,000人の就業・成長定点調査(今後どのようなキャリアを考えていますか?)/マンパワーグループ|8割超の一般社員が「管理職になりたくない」と回答。その理由とは?
「なりたくない=向上心がない」ではない
「管理職になりたくないなんておかしいでしょうか」という問いには、はっきり答えられます。おかしくありません。
専門性を極めたい、生活を守りたい、現場で成果を出し続けたい。どれも立派なキャリア観です。向上心の向け先が「役職」ではなく「技術」や「生活の質」に向いているだけで、向上心そのものがないわけではありません。
管理職になる人が偉く、ならない人が劣っているという序列は、会社の人事制度が作ったものです。制度が違えば序列も変わります。罪悪感を持つ必要はありません。
管理職に向かない人の特徴
「管理職に向かない人は?」「管理職にならない方がいい人は?」と迷っているなら、自己診断として、次の特徴に当てはまるかを確かめてみてください。
- 1人で完結する仕事に強みがある
- 人を動かすより、自分で手を動かすほうが成果が出る
- 他人の評価・指導・調整に強いストレスを感じる
- 仕事以外の時間を最優先にしたい
当てはまる項目が多いほど、管理職より専門職やプレイヤーとして貢献するほうが合っている可能性があります。
「向かない」は「能力が低い」ではありません。得意な貢献の形が違うだけです。ダメな管理職の特徴を並べて責めるための項目ではなく、自分に合う道を選ぶための材料として使ってください。当てはまるなら、次章の理由と、その後の3つの選択肢を読み進めてみてください。
管理職になりたくない5つの理由

なりたくない理由は、個人のわがままではありません。管理職の「割に合わなさ」には、構造的な原因があります。
- 責任と業務量が一気に増えるから
- 残業代がなくなり収入が割に合わないから
- 現場・専門の仕事を続けたいから
- 人間関係の板挟みになりたくないから
- 生活や家庭の時間を守りたいから
自分はどれに当てはまるか、確かめながら読んでみてください。
責任と業務量が一気に増えるから
管理職になると、自分の仕事に加えて部下の成果への責任と、部署間の調整業務が乗ってきます。マンパワーグループの調査でも、なりたくない理由の1位は「責任の重い仕事をしたくない」(51.2%)でした。
現実には、自分の担当業務を持ったまま部下を管理する「プレイングマネージャー」が多くなっています。プレイヤーとしての成果と管理の両方を求められ、業務量が一気に増えるのが実態です。
残業代がなくなり収入が割に合わないから
管理職手当より、それまでの残業代のほうが多かった。そんな逆転は珍しくありません。「報酬面でのメリットが少ない」は、なりたくない理由の2位(40.4%)でした。
ここで線引きを知っておいてください。残業代が不要になるのは、労働基準法第41条第2号の「管理監督者」に当たる場合だけです。肩書が課長やマネージャーでも、実態が管理監督者でなければ、時間外・休日の割増賃金を支払う義務は残ります。いわゆる「名ばかり管理職」の問題です。
管理監督者かどうかは、肩書ではなく実態で判断されます。厚生労働省が示す判断要素は3つです。経営者と一体的な立場で重要な職務と責任、権限があるか。出退勤など労働時間について裁量があるか。地位にふさわしい賃金などの待遇を受けているかどうか、の3点です。
管理監督者に当たる場合でも、深夜(22時〜翌5時)の割増賃金は発生します。年次有給休暇の対象にもなります。
残業代の未払いなど労働基準法違反の疑いがあるときの相談先は、労働基準監督署です。まず相談したい段階なら、各都道府県労働局や労働基準監督署内の「総合労働相談コーナー」が無料・予約不要で使えます。個別の事案が管理監督者に当たるかどうかは、これらの窓口で確認してください。
現場・専門の仕事を続けたいから
マネジメントより、手を動かす仕事が好き。エンジニアやクリエイター、研究職に多い理由です。これは適性の問題であり、優劣ではありません。
管理職になると、自分で作る時間は確実に減ります。開発を続けたい、設計を続けたい人にとって、管理職は「好きな仕事を手放す」選択そのものです。専門性で貢献し続けたい気持ちは、キャリアの軸として筋が通っています。
人間関係の板挟みになりたくないから
中間管理職は、経営と現場の間に立ちます。上からの目標と下からの不満を両方受け止め、部下の評価や指導もおこないます。板挟みのストレスは、中間管理職に特有のものです。
人の評価をつける、注意する、異動を伝える。こうした役割に強いストレスを感じる人は、管理職になっても消耗しやすくなります。人間関係の負担を避けたいという理由も、合理的な判断のひとつです。
生活や家庭の時間を守りたいから
共働きで育児や介護と両立する時代に、時間の自由を手放したくないのは自然な判断です。管理職になると、会議や部下対応で時間の裁量が減り、急な対応も増えます。
パーソル総合研究所の調査では、管理職になりたい人の割合は男性18.8%に対して女性11.3%です(2026年)。両立の負担が片寄りやすい現状が、数字にも表れています。家庭の時間を優先する選択は、わがままではなく生活設計の問題です。
管理職にならないキャリアの3つの選択肢

「管理職になるか、あきらめるか」の二択ではありません。向かないとわかった後にどう動くかで、3つの道があります。
- スペシャリストとして専門性を極める
- 打診を上手に断って現状を続ける
- 管理職にならなくていい会社へ転職する
1. スペシャリストとして専門性を極める
専門職制度(複線型人事制度)がある会社なら、管理職と同等の処遇で専門を極められます。技術や知識で会社に貢献し、役職ではなく専門性で評価される道です。
まず、自社に制度があるかを確認してください。就業規則や人事制度の資料に「専門職」「エキスパート」「スペシャリスト」といったコースの記載があるかを見ます。制度があるなら、上司や人事にそのコースを希望すると伝えるだけで話が進みます。
2. 打診を上手に断って現状を続ける
断り方には型があります。感謝、理由、代替の貢献案の3ステップです。
例文は次のとおりです。「お声がけいただき、ありがとうございます。ただ、私は開発の専門性を深めて貢献したいと考えています。管理職としてではなく、後輩の技術指導や難易度の高い案件で力を発揮させてください」。
断っても、即クビや即降格にはなりません。ただし、会社の文化によって影響の出方は違います。昇進を前提とした会社では、次の打診が来にくくなることもあります。感謝と代替案を添えるのは、その影響を最小限にするためです。
3. 管理職にならなくていい会社へ転職する
専門職制度が整った会社や、役職ではなく成果で評価する会社は実在します。昇進が実質必須の会社で消耗し続けるより、制度の合う会社を選ぶのもひとつの道です。
転職の際は、求人票や面接で「専門職コースの有無」「管理職以外の昇給ルート」を確認してください。制度の有無は、入社後の働き方を左右します。
昇進をめぐる悩みには、裏表があります。出世したいのにできず、悩む人もいます。
【関連記事】
出世できないと腐る前に!原因と社内でできる対処法・選択肢を解説
なりたくないのに管理職になってしまったら
断り切れずに管理職になった。降りたいが、どうすればいいかわからない。そんな場合は、順番を決めて動いてください。
最初にやることは、期限を決めて一度やってみることです。半年や1年と区切って取り組むと、向いていたと気づく場合もあります。管理職になって初めて見える景色があり、部下の成長を喜べる自分を発見することもあります。
期限まで続けても合わなければ、上司に役割の変更を相談します。「管理職を続けるより、専門職として貢献したい」と伝え、社内で道を探すのが2番目の段階です。専門職への転換や、異動で対応できる会社もあります。
それでも道がなければ、転職を検討します。「すぐ辞める」を最初の選択肢にしないのは、冷静な順序で進めたほうが後悔しにくいからです。
副産物もあります。管理職の経験は、転職市場で評価される資産です。短い期間でも、チーム運営や評価の経験は職務経歴書に書けます。降りると決めた場合でも、その経験は無駄になりません。
管理職になるメリットも一度は考えておく
断る判断の質を上げるために、なるメリットと、ならない場合に狭まりやすい道の両方を一度は見ておいてください。押し付けるための章ではありません。
管理職になって得られるもの
収入は、役職によって差があります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」による役職別の月額賃金は、次のとおりです(男女計、雇用期間の定めのない一般労働者)。
| 役職 | 月額賃金 | 非役職者との差 |
|---|---|---|
| 非役職者 | 31万500円 | ― |
| 係長級 | 39万9,200円 | +8万8,700円 |
| 課長級 | 52万9,200円 | +21万8,700円 |
| 部長級 | 63万5,800円 | +32万5,300円 |
課長級で非役職者の1.7倍、部長級では2倍を超えます。
収入以外にも、裁量と視野の広がりがあります。予算や人員配置を決める立場になり、会社の意思決定に関わる機会が増えるためです。人を動かし、評価し、育てる経験を通じて、対人スキルも伸びていきます。
転職市場での評価も安定します。マネジメント経験は、40代以降の求人で前提条件になることが多く、経験があれば応募できる範囲が広がります。
メリットを知っても心が動かないなら、なりたくない気持ちは本物です。その場合は、3つの選択肢のどれかを進めてください。
※賃金は所定内給与額(月額)で、千円単位の公表値を百円単位で表記しています。
管理職にならない選択で将来狭まりやすいもの
ならない選択にも、正直に見ておきたい面があります。
専門職制度のない会社では、処遇や賃金レンジが頭打ちになりやすくなります。役職手当がつかず、昇給の上限も役職者より低く設定されている会社が多いためです。
40代以降の転職市場では、マネジメント経験を前提にする求人が増えます。応募できる範囲が、経験者より狭まる可能性は否定できません。組織の意思決定に関わる機会も、役職者に比べると減ります。
ただし、専門性と実績で代替できる道はあります。スペシャリスト制度のある会社や、専門職としての転職です。「だから管理職になれ」という結論ではありません。ならない選択をするなら、専門性と実績を意識して積み上げる。それが、3つの選択肢と整合する現実的な考え方です。
40代で転職を視野に入れる場合に後悔しやすい人の特徴は、次の記事で確認できます。
【関連記事】
40代の転職はやめた方がいい?理由と後悔しやすい人の特徴を解説
キャリアの相談は「リクルートエージェント」へ
管理職にならないキャリアは、自分で設計できます。検討し始めたら、まず確認したいのは3つ。専門職制度のある会社がどれだけあるか、自分の専門性が社外でどう評価されるか、動くとしたらどんな準備が必要か。この3つの材料を無料で集められるのが、転職エージェントです。
リクルートエージェントは、公開求人約80万件、非公開求人約29万件を保有する転職エージェントです(公式サイト・2026年3月31日時点)。登録から内定まで、利用者の費用負担はありません。企業側からの成功報酬で運営されているためです。
サポートの内容は、提出書類の添削、面接対策と模擬面接、業界・企業情報の提供、年収交渉、入社日の調整、円満退社のアドバイスまでです。一般には公開されていない非公開求人にも応募できます。
転職を決めていなくても、どんな会社に専門職制度があるかの情報収集だけでも使えます。マネジメント必須ではない求人がどれだけあるかを見るだけで、今の会社に残るか動くかの判断材料になります。まずは無料登録で、選択肢を確かめてみてください。
※サービス内容・求人数は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
管理職になりたくない人のよくある質問
管理職の打診を受けた人が気にしやすい2つの疑問に答えます。
- 打診を断ったら評価は下がりますか?
- 女性で管理職になりたくないのはわがままですか?
- 打診を断ったら評価は下がりますか?
-
会社の文化によります。専門職制度のある会社では下がりにくく、昇進が前提の会社では影響が出ることもあるのが実情です。断り方で印象は大きく変わります。感謝を伝え、専門性で貢献するという代替案を添えれば、「やる気がない」とは受け取られにくくなります。
- 女性で管理職になりたくないのはわがままですか?
-
わがままではありません。ライフイベントとの両立を考えた、合理的な判断です。
パーソル総合研究所の「女性活躍推進に関する定量調査」に、男女差の数字があります。管理職になることへの不安として「精神的な負担が大きい」を挙げた人は、男性33.8%に対して女性48.9%でした。不安の上位10項目すべてで、女性が男性を上回っています。両立の不安が、女性の管理職志向に影響している状況です。
身近に女性管理職のロールモデルがいないことも、背景のひとつになっています。なりたくない気持ちを責める必要はありません。専門職や成果で評価される道を選ぶのも、正当なキャリアです。
役職に就くかどうかとは別に、仕事の第一線で活躍し続ける女性の働き方は、次の記事で解説しています。
【関連記事】
キャリアウーマンとは?意味や向いている人の特徴・なり方を解説
管理職にならないキャリアは自分で選べる
本記事の要点を振り返ります。
- 管理職になりたい人は15.7%で、なりたくない人が多数派
- なりたくない理由には、責任・収入・専門性・人間関係・生活という構造的な背景がある
- 管理職にならない道は、スペシャリスト・断って続ける・転職の3つ
- なってしまった場合も、期限を決めて試す→相談→転換→転職の順で動ける
管理職になる選択も、ならない選択も、どちらも尊重されるべきものです。ただ、ならない選択をするなら、専門性と実績で自分の価値を示せるようにしておく。それが、後から選択肢を狭めないための備えになります。
次の行動はひとつです。まず、自社の人事制度を確認してください。専門職コースがあるか、管理職以外の昇給ルートがあるか。そのうえで、外の選択肢も知っておくと判断の幅が広がります。無料で始められる転職エージェントは、その情報収集に向いています。